第四章

ブルーベリーと目

ブルーベリーにまつわる武勇伝は多い。なかでも、目に関する話は尽きない。日本語的にやや苦しいが、ここまでくると引き返せない。腹をくくるのは構わないが、なるべくソフトな素材にして欲しい。有刺鉄線よりは丸紐が良い。話を戻そう(と書くだけでわりとカタチになるから凄い)。現代は、「ブルーベリーと言えば?」と聞けば「目に良いアレでしょう!!」と全人類の94%が手を叩きながら答える時代である。ほんとうに凄い。そしてこれも、彼の内包しているアントシアニンの働きによるものなのだ。ここまでくれば、ブルーベリーが凄いのかアントシアニンが凄いのかわからなくなってくるが、あくまでも、ブルーベリーがつねに優位である。この辺りの絶対感も、ブルーベリーが偉大だからこそ為せる業だ。それ以上の言葉はいらない。紳士である以上、スマートさが命である。だから、けっして私の文章力に起因する問題ではない。

アントシアニンがロドプシンの再合成を促す

眼球を覆うもっとも内側の膜である網膜には、ロドプシンという色素が存在している。網膜が光を捉えた瞬間、ロドプシンは分解し、そして再合成する。そうすることで、人は「見えた」という感覚を初めて得る。けれど、ロドプシンが再合成するチカラは、加齢によって徐々に失われてしまう。そこで、アントシアニンの登場である。アントシアニンとは、再合成するチカラが減退してしまったロドプシンの働きをサポートする効果をも有している……、というわけで、どうだろう、すこしだけマジメに書いてみた。能ある鷹はなんとやら、というふうに、普段はできる限り無能であるように見せることに努めている私なので、読者諸君はラッキィである。ただでさえ、このところ才能を抑制しすぎて自分でもほんとうに無能なのではないかとしばしば考えるようになった私である。なので、なにが言いたいのかというと、妻や娘が私を馬鹿にする、もとい私の才能を理解できないのは当然である、ということだ。ブルーベリーがアントシアニンという素晴らしい才能を奥ゆかしく内包しているように、私もまた、しかりなのだから。

第五章

ブルーベリーの色の秘密